正解のない問いに向き合う力が求められている現状にあって、私たちの研究センターが長年取り組んできている「対話型鑑賞」が教育界にも注目されるようになってきました。
新学習指導要領が小学校では2020年度(昨年度)、中学校が2021年度(今年度)に完全実施され、生きる力を育むために「主体的・対話的で深い学び」が促進される授業のあり方(授業改善)が求められています。まさに「対話」による学びが求められているのです。
今回、進学塾である河合塾での大学入試対策論述テストに、鈴木有紀氏著『教えない授業――美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方』が取り上げられ、「対話型鑑賞」に関連する内容が出題されました。
また、先んじて行われた大学入試改革においては東海大学医学部・日本映画大学などの入試問題でも「対話型鑑賞」が取り扱われるなど、枚挙にいとまがありません。このことは対話型鑑賞による「学び」やそのアプローチがこれからの子どもや若者にとってどれほど価値のあることか、ということを示唆していると言えるのではないでしょうか。
本研究センターは、先行研究機関として今年度も「対話型鑑賞」が学べる教員免許更新講習や対話を促進させる進行役(ファシリテーター、ナビゲーターとも称する)のスキルアップに貢献できるプログラムを企画していきます。