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京都芸術劇場春秋座:「演じる高校生」感想シェアプレ研究会

概要

本校舞台芸術研究センターとの協同プロジェクトとして、高校演劇コンクール近畿大会優秀校を招待した、第18回「春秋座」招待講演「演じる高校生」を鑑賞した方々(※)に向け、作品感想のシェア会の監修を行いました。「演劇」という分野における対話型鑑賞を用いたワークショップは、本センターにとっても新たな可能性を示唆できる実験的な取り組みとなりました。

当日は、まず優秀校2校の公演を鑑賞。その後、グループに分かれ、学生がファシリテーターを務めながら公演を観劇した感想をざっくばらんに話していきました。始めのうちは、自身の気になったシーンや感じたことを順番に話していましたが、後半では参加者自身が互いに「どう思いました?」と聴き合う姿や、「ここみてなかったの?もったいない!」と思わず突っ込んでいる姿がとても印象に残りました。ふたつの公演のストーリーやキャラクター、役者の動き、声の出し方などを比較し、様々な視点を持ち寄ることで、なぜこのタイトルなのか、それを高校生が演じていることからどんな印象を受けるかなどの話を掘り下げているグループもありました。他者の視点を聴くことで、作品を違った味わい方を楽しめたり、より味わい深くなる機会になったのではないでしょうか。参加者の方々からは、以下のような感想をいただきました。

アンケートだと、ひとりで考えて言語化しなければいけない。でも、感想シェア会では単語を出せばファシリテーターが拾って整理してくれるので、自分の頭の中の整理ができた。

最初は「意見を述べなきゃいけない」というプレッシャーの中で舞台をみるのは嫌だったが、話して行く中で「否定されない」「受け入れてくれる」「参加してみるもんだ」と思った。

今回は、両センターの実験的な試みとして実践しましたが、次年度もアートプロデュース学科の社会実装科目において実施が決定しています。引き続き、協同での実験を重ね、さらなる発展を試みていきたいと考えています。

※本プレ研究は「演じるシニア」参加者の方々を対象に実施しました。「演じるシニア」は、舞台芸術研究センターが主催する60才以上の一般の方を対象にした市民参加型作品プロジェクトです。さまざまな事前ワークショップを約8ヶ月間かけて行い「春秋座の舞台に立つ」ことを目標に企画・上演されました。構成・演出は、演出家・舞台美術家の杉原邦生氏。2013年に引き続き、2018年夏に「演じるシニア2018 帰ってきた、春秋座サバイバーズ」として再びプロジェクトを企画・上演しました。

開催年月日
2019 / 2 / 11
開催場所
京都芸術劇場
メンバー
伊達隆洋・三重野優希・吉原和音/髙橋茉悦・西田太陽・宮本花鈴・カーネル尾瀬カイ・小寺春翔・島田貴弘・藤本涼香・室津日向子(アートプロデュース学科学生)
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