2013年9月18日(水)はなぶさ保育園(京都市伏見区)にて、年長児を対象に対話型鑑賞を行いました。
今回で5回目となる実践ですが、徐々に鑑賞グループによって発言の活発なグループとそうでないグループといったグループダイナミズムが生まれつつあります。そこで、鑑賞するメンバーのシャッフルを検討しましたが、「発言の少ないグループも考えていない訳ではなく、少人数での鑑賞ではしっかりと意見が言えていた」という振返りもあったことから、ここはむやみに外から変化を起こそうとするのではなく、内在的に起き始めている変化が発露するのを見守る方針で、前回までと同じグループで鑑賞を行いました。すると、前回までは発言の少なかったグループAに、発言の質の向上(観察の鋭さ、根拠を明確に言える、他の鑑賞者の意見を足がかりに自分の意見を発展させる等)がみられました。特に、他の鑑賞者の意見を受けて解釈を進められたことが印象的でした。すでに活発に発言できていたグループBでも、より鋭い観察、自ら根拠を言うといった変化がみられたのですが、意見の構築という点においては、今回はグループAがよくできていました。要因としては、グループを変えなかったことだけでなく、作品との相性やその日の体調など様々考えられますが、今回の実践を通して、鑑賞者の発達のスピードやその方向性が一律ではないことを改めて感じさせられました。これからも一歩引いた長い目で子供達の発達を観察していきたいと思います。